この手で紡ぐ神の欠片
「フェンリルのような巨大な犬を出しても誰も気付かなかった。…何故かな」
公園でも、今さっきも。
「それを認識するぐらいの“力”があるヤツじゃなきゃ見えないサ」
だから、気付かれないのか。
「キミのように神話を使う者は、認識ができるサ」
神話を使うのは、
私一人ではないらしい
その言葉に私は頷いた。
頷いただけで、
お互い何も口にしなかった。
カラスのくちばしが
何か言い掛けようと動いたが
結局何も言われなかった。