この手で紡ぐ神の欠片
*
「姫は王子様のキスで目が覚めるんだって。――珠輝姫」
私の耳元で、
ふざけたセリフが聞こえた。
私は鬱陶しげに顔をしかめ、
起こされた不快さを露にした。
私は毛布を頭まで被り、
声にならない声を出した。
「珠輝姫」
また耳元に声がした。
ふざけたヤツだと、
まだ覚醒しない頭が言った。
「姫ってば――…」
「うっるさいなぁ!」
私は毛布を翻して
勢いよく飛び起きた。
茶色の髪の毛が
風に舞い踊った。