この手で紡ぐ神の欠片



詠人はベッドに
体を乗せて
私にキスをした。

「…っ、」

はぁ、と
唇を離し息を零した。

「まだ」

詠人がそう言って
強く唇を塞いだ。

眼鏡のカチッ、という音がして

「邪魔だな」

そう言うと眼鏡を外して
胸元のポケットに入れた。

「まだやる気?」

私は呆れた顔で尋ねた。

「そういうお年頃でね」

口の端を吊り上げて詠人が言った。

「足りないんだ、何か」

彼はそう言い終えない内に
また私にキスをした。


飽きるほどに何回も、
飽きないほどに強く。



…私たちのそれは
“罪”のような
背徳的な行為であると、
知らずに――…。



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