この手で紡ぐ神の欠片



  *

しばらくしてから
詠人は保健室を出た。

私たちはキスだけで、
一線を越えたりはしなかった。

中学生だし、責任が持てないし。
保健室だし。

様々な理由があるが、
とにかく、あれだけだった。

戯れのようなキス。

私から誘ってなんだが、
刺激的というか…うん…。


私は体を起こして保健室を後にした。

王子様のキスのお陰か、
少し楽になった。



< 84 / 268 >

この作品をシェア

pagetop