この手で紡ぐ神の欠片
「ほんっと、お父さん最低なの」
私は中学3年生、
海音 珠輝(あまの たまき)。
茶色く染めた長い髪を
マフラーの中に入れて
登校中、友人と喋っている。
「なんで?って感じ。一緒に洗濯したくないし」
私の隣で一緒に歩く友人が
悲しそうに言った。
「娘が思春期なんだから風呂上がりにパンツだけとか最悪だよ」
幼い小学生のような願いを語る同級生の名前は
芝田 菜生(しばた なお)。
染めてない綺麗な黒髪を
ツインテールにしている、可愛いらしい子だ。
ただいま彼女の
家庭の相談らしきものを
私は受けている。