Anniversary
「せっかく新しい制服着たんだから、早く先輩に見てもらいたかったんだもん……!」
そのことに比べれば……ハッキリ言って、新しいクラス担任の話なんて、どうでもいい。
クラスメイトとの交流だって同じだ。出遅れたトコロで何てことない。
この先1年もあるのだから、交流しようと思えばいつでも出来る。
今日だけは…! ――先輩に会えること以上に大事なことなんて、他に無い。
「これでやっと、私も先輩と同じ高校生になったんだよ? 私はすっごく嬉しいのに……先輩は、『嬉しい』って思ってくれないの?」
その言葉で先輩は、優しいけど少し困ったような笑みを浮かべて私を見下ろすと、ぽふっと、私の頭に軽く手を載せた。
「――嬉しくないワケなんて無いやろ?」
そして言う。
「桃花が高校生になってくれるのを……オレかて1年も待ってたんやで?」
「…………!!」
その言葉で、もっと嬉しくなったと同時、何だか優しく見つめられていることが急に恥ずかしくなって……だから私は、照れ隠しのように「えへっ!」と笑いながらぎゅーっと抱きついて、そのまま先輩の胸の中に、顔を埋めた。
そのことに比べれば……ハッキリ言って、新しいクラス担任の話なんて、どうでもいい。
クラスメイトとの交流だって同じだ。出遅れたトコロで何てことない。
この先1年もあるのだから、交流しようと思えばいつでも出来る。
今日だけは…! ――先輩に会えること以上に大事なことなんて、他に無い。
「これでやっと、私も先輩と同じ高校生になったんだよ? 私はすっごく嬉しいのに……先輩は、『嬉しい』って思ってくれないの?」
その言葉で先輩は、優しいけど少し困ったような笑みを浮かべて私を見下ろすと、ぽふっと、私の頭に軽く手を載せた。
「――嬉しくないワケなんて無いやろ?」
そして言う。
「桃花が高校生になってくれるのを……オレかて1年も待ってたんやで?」
「…………!!」
その言葉で、もっと嬉しくなったと同時、何だか優しく見つめられていることが急に恥ずかしくなって……だから私は、照れ隠しのように「えへっ!」と笑いながらぎゅーっと抱きついて、そのまま先輩の胸の中に、顔を埋めた。