Anniversary
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そんでもって後日、ウチ部の“恋する男ども”と写真部側の事情も考慮した上で俺が出した折衷案が、体育祭の写真の売り出しと共に採用されることとなった。
――それは平たく言うと、“枚数限定販売”っていうヤツである。
1つの写真につき、販売できるのは10枚まで、と限定してみたのだ。…ただし集合写真では、その限りではない。
…写真部にしてみたら、たとえ10枚ずつしか売れなくても、全く売ることが出来ないよりはマシであることに違いは無いし。
…カノジョ持ちの野郎どもにしてみても、無尽蔵に購入希望者の数だけ焼き増しされバラ撒かれるよりは、10枚のみと、持っている人間の数が限定されているのならば、まだガマン出来ないでも無いだろうし。
そんなようなワケで俺の出した折衷案が、両者合意の上、梨田女史により生徒会で採択されたのである。
それゆえ、このたび1枚の写真に10人以上の購入希望者が出た場合は、“抽選”という手段が用いられることとなる。
―――そうして、今度は各々より多くの抽選券獲得に向けて影ながら奔走し出したことは……モチロン言うまでも無いだろう。
その結果についてもモチロン、…神のみぞ知る。
とはいえ、“写真部に恩を着せる”というコスイ手段でもってヤツらの狙う写真のことごとくをチャッカリ裏ルートから入手した俺が、やっぱりコスイ手段でもって小細工を弄しては抽選洩れさしたヤツらに対し、それを倍額で売り付けてやったことは……まあ、多分きっと神サマも知らなかっただろうに違いない。
あくまでも別のハナシである。
-『体育祭権謀術数模様』 fin.-