Anniversary
「絶対、“新入部員”ってだけの一番下っぱの私たちが、宴席のサカナとばかりに、さんざんイジくり倒されるハメになるだけよ……」
しかも3人しか居ないんじゃー、それから逃れられようハズも無い。
丁度そこで教室内に入ってきた早乙女くんを見つけ、…やさぐれた私を持て余していたのだろう、ミカコがホッとしたように、「ああ早乙女くん、ちょうどよかった」と、手を振って彼を呼び止める。
「これ、部活の回覧なんだけど。目を通してくれる?」
「はあ? 回覧ー? なんだそりゃ」
私たちの居る座席まで近付いてきた彼は、差し出したその“回覧”を受け取り、目を通すと……そこで、「高階は?」と、傍らに立つ実果子に訊いた。
「参加するの? コレ」
「だって、ココに『強制参加』って書いてあるじゃない」
「そんなもん、いくらでも口実なんて作れるだろ?」
「まあ…ね、それはそうだけど……」
「――なぁにぃ、早乙女っちー? ミカコにだけ『参加するの?』って訊いて、私には訊いてくれないんだぁ~?」
そこで2人の間ナナメ下から、ニヤニヤ~っとしながら、そんなチャチャを入れてみる私。
早乙女くんがミカコ狙いで入部したことなんて……もう、見るからにバレバレだし周囲には。
…でも、カンジンな当のミカコにはバレてないんだけど。
…ダメじゃん。
――…ともあれ、そこらへんはさておき。
それを聞いた早乙女くんは、そこで初めて、私の方を振り返った。
そして言う。
めっちゃくちゃ憮然としたような、めっちゃイヤそーなカオをして。
「訊かなくても……オマエはどーせ行くんだろーが。三樹本(みきもと)先輩狙いで」
「………っ!!?」
思わずグッと言葉に詰まってしまう私。
―――だって、まあ、“その通り!”だし。