Anniversary

(てゆーか、『狙い』とかゆーなよ……!! 別に私はセンパイ狙っているワケじゃなくっ……!!)

 しかし、それに追い討ちをかけるかの如く、ほんわりと響いて降り注ぐ、ミカコの声。


「そうよね、ここに『幹事・2-C、三樹本』って書いてあるし。これは桃花(ももか)は休めないわねー?」


 アナタ……そんなワザワザ回覧のプリントまで見せて言ってくれなくっても……しかも、ご丁寧にその部分、指差してくれてまで……。


「だから早乙女くん? 結局、桃花に引きずられるカタチで、私も『強制参加』させられるハメになると思うわー」

 ――ちょっとミカコ……その言い方ってば、どうなのよトモダチとしてっ……!!

「ナルホド」

 ――だから、そこで納得するなよ早乙女っ……!!

「つーか、あんたらっ……!!」

 その2人のあまりに失礼な言い草で、半分逆ギレした私は、思わずバシッと机を叩いて立ち上がる。


「いーじゃないの別に!! …ええ、参加するわよ! してやろーじゃないのよ! センパイとラブラブいちゃいちゃするためなら、どこにでも参加してやろーじゃないっ!! 何でもドンと来やがれってなモンだわよ!!」


 そこで、すかさず私のてっぺん頭に振り下ろされる、2つの平手。

「つーかオマエ、堂々と声デカすぎ!」

「そういうことは心の声だけにしときなさい、桃花?」

「―――う、ハイ……」


 くそう……みんな、アタシの恋に優しくないわっ……!! しくしく……(涙)。
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