Anniversary
*
「なんかね、聞いたところによると……GWに毎年《天文部》主催で、新入部員の勧誘も兼ねた観測会をしてるんだって。部員以外の一般生徒も自由参加OKな、むしろ“部活”って云うより“学校行事”の一環みたいなイベントとしてね。――それが終わった後に、そのまま天文部員は新入生歓迎合宿になだれこむらしいんだわ」
部室へと向かって廊下を歩きながら、それを言ったミカコを振り返りつつ、私は尋ねる。
「――それ、誰から情報?」
「――顧問(センセイ)……」
「…………」
《天文部》に入部してから、もう早や約1ヶ月。
驚いたことにミカコは既に、あーんな尊大で横柄で性格の悪い上に底意地まで悪い極端なヘビースモーカーの不良教師であるウチの顧問を手懐ける術(すべ)を、サッサと身に付けてしまったらしい。
よくも、あそこまで歪みきった性格の持ち主と和やかに会話ができるものだと……そこらへん、ものすごく尊敬する。
確かに…確かにさっ、生徒にとって、少しは“話せる”部類の先生らしくて、ウチの部の部員連中――注:男子生徒only――は何事でも無いようなカオで全然フツーに懐いてるみたいだけどっ! …みっきー先輩も然り。
でも、私は慣れないのよおぅっ!!
くっそう、あんのバカ教師ー!!
ヒトの顔見るたび、いっつもいっつも鼻で小バカにしやがってえええええっっ……!!
思い出すなり即座にぶんムクれた私を目の当たりにして、途端に“しまった”とでも思ったのかミカコが慌てて、
「あ、イヤ、えっと、…そう! 吉原部長も同じこと言ってたし! それに、ひょっとしたら観測会の時に新入部員ゲットできて、合宿参加人数も増えるかもー…とか何とか……」
「…………」
――でも全然それフォローにすらなってないし……。
しかもそれ、めっちゃくちゃ“希望的観測”なモノ言いじゃない!?
「なんかね、聞いたところによると……GWに毎年《天文部》主催で、新入部員の勧誘も兼ねた観測会をしてるんだって。部員以外の一般生徒も自由参加OKな、むしろ“部活”って云うより“学校行事”の一環みたいなイベントとしてね。――それが終わった後に、そのまま天文部員は新入生歓迎合宿になだれこむらしいんだわ」
部室へと向かって廊下を歩きながら、それを言ったミカコを振り返りつつ、私は尋ねる。
「――それ、誰から情報?」
「――顧問(センセイ)……」
「…………」
《天文部》に入部してから、もう早や約1ヶ月。
驚いたことにミカコは既に、あーんな尊大で横柄で性格の悪い上に底意地まで悪い極端なヘビースモーカーの不良教師であるウチの顧問を手懐ける術(すべ)を、サッサと身に付けてしまったらしい。
よくも、あそこまで歪みきった性格の持ち主と和やかに会話ができるものだと……そこらへん、ものすごく尊敬する。
確かに…確かにさっ、生徒にとって、少しは“話せる”部類の先生らしくて、ウチの部の部員連中――注:男子生徒only――は何事でも無いようなカオで全然フツーに懐いてるみたいだけどっ! …みっきー先輩も然り。
でも、私は慣れないのよおぅっ!!
くっそう、あんのバカ教師ー!!
ヒトの顔見るたび、いっつもいっつも鼻で小バカにしやがってえええええっっ……!!
思い出すなり即座にぶんムクれた私を目の当たりにして、途端に“しまった”とでも思ったのかミカコが慌てて、
「あ、イヤ、えっと、…そう! 吉原部長も同じこと言ってたし! それに、ひょっとしたら観測会の時に新入部員ゲットできて、合宿参加人数も増えるかもー…とか何とか……」
「…………」
――でも全然それフォローにすらなってないし……。
しかもそれ、めっちゃくちゃ“希望的観測”なモノ言いじゃない!?