Anniversary
 いけしゃーしゃーと、やっぱりこのヒトってば、ニッコリ笑ってウソを吐く。

「先輩、その冗談は笑えないっ……!」

「冗談やないって。ちゃーんと“告白”したやんか。去年の桃花と同ンなじように」

「は……?」

 その言葉で……何かとてつもなく嫌ぁーな考えに、思い当たってしまった。

(もしや、それって……)

 恐る恐る、尋ねてみる。

「―――マサカとは思うけど……あの『第2ボタンちょーだい?』が、ソレ……?」

「そう、ソレ」

「…………」

 呼吸、一拍分。――の後、即座に噴火させそうになった私の怒りを。

「だって言うたやんか、桃花が自分で」

「え……?」

 噴火する前になだめてくれでもするかのように……先輩がにこやかに言いながら、ふいに私の頬に手を伸ばす。


「桃花の言葉で『第2ボタン下さい』は、イコール『好きです』ってイミなんやろ?」


(―――あ…!!)


『私が言った言葉のイミ……ちゃんと、わかってます……?』

『「先輩のこと好きです」って、言ってるんですが……』


 ――そう…、それは去年の私の“告白”。
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