Anniversary

 ―――みっきー先輩の雑学講座、その2。

「“十五夜”の場合、“中秋の名月”という呼び名のほかに、“芋名月”っつー言葉もあるんや。それはナゼかっつーと、昔は供え物のメインが里芋だったことからきているんやな。―――ちなみに、“十三夜”の異名は“豆名月”と“栗名月”。これも同様に、ちょうど食べごろの小豆や栗を供えることから付いたワケや」

「てゆーか……なんで先輩、そんなに“お月見”について詳しいの……? 月見マニア……?」

「誰がマニアや! 一応、天文部員として、“月見”するに当たって調べただけや!」

「やっぱり先輩って……何があっても驚いちゃいけないんだね……」

「…………」


「そういえば……“芋担当”って、誰だっけ……?」


 ポツリと差し挟まれた吉原先輩の言葉で……ハタ、と一瞬その場で固まってから、私とみっきー先輩は揃って声を上げた。


「―――ミカコだ!」

「―――実果子(みかこ)ちゃんやん!?」


 そういえば……持ってきた“お供え物”、碓氷(うすい)センセに頼んで地学準備室の冷蔵庫に入れてもらっとこうって言って……だから帰りのSHR(ショートホームルーム)が終わったら地学準備室へまっしぐらに行ってしまって、そのままじゃないミカコってば……?
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