Anniversary
(そんなことより……ハッキリ『見掛け倒し』とかまで言ってくれやがったしコイツ……!)
「だったら何も、ガタイだけの俺じゃなく、もっと他に適任者は居るだろうが……!」
「そういう『適任者』は、既に相応のポジションに就いててヒマ無しなんだよ! 手の空いてるガタイの良い野郎なんざ、オマエだけだっつーの!」
「…………」
――あぁあそうですね、左様でございますね、そうでございましょうともッ! …こぉんなにガタイが良いクセに何もしない人間でゴメンナサイねええッッ!
「でも、だからって……!! 本人に無許可で決定する権限が、たかだか実行委員にあるのかよ!?」
「心配するな。『たかだか実行委員』の俺にはそんな権限は無いが、それがある“上”からの許可は、もう既にとってある」
「『“上”からの』……?」
その言葉に、思わずタラーリと冷や汗が滴るのが分かった。
――さっきの“悪寒”が、ぶわっと膨らむ。
「それって、まさか……!! ――つまり、“ヤツら”?」
すると即座にニンマリと広がる、山田の笑み。
「さすが、察しが良いな。――それぞれの温か~いオコトバも頂戴してるぜ? 『応援団長? そんなもん、平良(たいら)にでもやらせればいいだろ』『どうせ平良はヒマ人だしな』『何でも好きに使っていいぞ、生徒会が許す!』、…以上」
「…………」
「よって吉原(よしはら)平良(たいら)! これで正式にオマエのC組連合応援団長就任の件、生徒会にまで報告が回ったワケだ。――だから四の五の文句言わずにやれ! いいな!?」
―――藪は突つかずとも、“蛇”は出てくるものらしい……。