素顔の先輩と甘い休息

「わ……分かりません。」

私はキュッと目を瞑りながら答えた。


とにかく何でもいいから答えなくちゃ…。
そう思ったんだ…。


「何が分からねぇの?」


先輩は眼鏡を外してテーブルに置いた。


「何がって言われても…何もかもです…。私にもよく分かりません…。私の心は自分の中にあるし、キスは……好きだって思う大切な人としたい…。だから“いつ”とか、期限は何もないんです。ただ…それだけなんです。」


うぅ……
自分でも何言ってるのか分からなくなってきた…。


だいたいなんで先輩は私を気に掛けるの…?


彼女だっているのに…。



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