素顔の先輩と甘い休息
「本当にごめんなさい。」

私は鍵を男の人に手渡すと、スッと立ち、ペコリとお辞儀をして、男の人がしゃがむ横をすり抜けると、猛ダッシュで部屋を出た。



まさに逃げるように。


ギシギシ鳴る階段を駆けおり、大急ぎで旧校舎を飛び出した私は、フニャッと力が抜ける感覚がして、近くの壁に寄りかかった。


はぁぁぁ……


めちゃくちゃ怖かったよぉ…!



心臓がまだバクバクしてる…。



< 26 / 480 >

この作品をシェア

pagetop