素顔の先輩と甘い休息
「翠央、大丈夫か…?」


匠先輩は、男の人の言葉に構うことなく、私に手を差し伸べる。


その表情は、心配そうに私を見ながらも優しく微笑んでいた。


「だ……大丈夫…です…。」


声を詰まらせながら、そう答えた途端、私の目から涙が零れた。



「翠央…っ…」


匠先輩は、その涙を見ると私の腕を引っ張って強引にベッドから起き上がらせ、自分の胸の中へと抱き寄せた。



< 78 / 480 >

この作品をシェア

pagetop