小さな約束
光流の引き出しからは、どうでもいいような物がポンポン出てきてビックリした。
「光流ちゃん…これ何に使ったの??」
葉奈はミニーちゃんのカチューシャを取り上げて聞いた。
「あ…まぁちょっとね。
貸して」
「はい」
光流はミニーちゃんのカチューシャをかばんに入れ、チャックをしめた。
用意が終わったようだ。
時計を見るともう11時だった。
「お姉ちゃ〜ん」
やけに明るい芽依の声が響いた。
なんだか懐かしい。
ついに光流が帰る時が来たんだと実感する。
「あらあらまぁまぁ
皆さん今まで光流が迷惑かけてごめんなさいねぇ」
光流の母さんがニコニコしながら病室に入った。
「光流、持って来たわよ」
光流の母さんは光流に何かを渡した。
「ん、ありがと」
「光流ちゃん、何それ」
葉奈が不思議そうに光流の手元をのぞきこむ。
「カメラ!記念にいっぱい撮ってこうって思ったから!」
光流は明るい笑顔で答えた。