小さな約束
〜♪♪〜♪〜♪♪♪〜
この曲の終盤にさしかかったらしい。
迫力のある音に圧倒される。
俺は目を閉じて曲に聞き入った。
しかし、突然―…
〜♪♪〜♪〜…
カタンッ
「えっ!?」
いきなり曲が止まり、
何かが落ちる音に驚き目を開けた。
「大丈夫!?光流ちゃん!」
「大丈夫…」
光流は信じられなさそうに、自分の包帯がまかれた右手を見つめていた。
床には弓が落ちていた。
「おい、大丈夫か??」
「うん…」
「まだ右手大丈夫じゃねーんじゃねーか??
まだ包帯もまかれてるし…。
あんまり無理すんのはだめだと思うぜ」
光流はむっとした顔で俺を見た。
「何よ!誰のために痛む右手でバイオリン弾いたと思ってんのよ!もう知らない!!」
光流はベットにバイオリンを投げつけ、病室を出ようとドアを開けた。
「あ…」
開けたドアの前には少し意外な人が立っていた。