小さな約束
「お前…意外にいい奴なんだな」
「なっ…何よそれ!!」
芽依は少し怒りながらこっちを向いた。
「最初は葉奈の悪口言って、にくたらしい奴だと思ったけど、
ちゃんと人を気づかえるいい奴だったんだな」
「え…??」
「芽依は光流のことが好きなんだ」
「好きじゃないもん…大嫌いだもん…」
芽依は頬を膨らませながらうつむいた。
「芽依はいい奴だよ。
ハッキリとしているし、思いやりもある。
お姉ちゃんもバスケも大好きで…。
本当にいい奴だよ…」
「なによぉ…いきなり誉めだして…」
芽依は唇を強くかみしめ、目にたまっていく涙を必死にこらえていた。
俺はポンポンと芽依の頭を撫でた。
「泣きたい時は、思いっきり泣けよ。
俺がいるからさ…」
「ウッ…ヒック……
ウワーーーーン!!」
芽依は大きな声で泣き始めた。
俺は泣きじゃくる芽依の頭をずっと撫でていた。