小さな約束
「あのね、あたし竜ちゃんに手伝ってほしいの」
「は!?何を??
俺に恋のキューピットにでもなれっつーのか!?」
葉奈はニターっと笑った。
「そういうこと」
「はぁ〜!?断る!!」
「決断早っ!!お願い!!竜ちゃんにしか頼めないの!!」
立ち上がろうとする俺のパジャマの裾を、葉奈は必死につかんだ。
「離せっ!!俺に恋のキューピットを頼むところから間違っている!!」
「お願い!今度ジュースおごるから!!」
「何言ってんだ!!
俺はジュース一本で動くような尻の軽い男じゃないゎ!!!」
「お願い〜!
みなさ〜ん!!
この人こんなに困っているあたしを、置いて行こうとしてます〜!
あぁ!なんて薄情な人!!」
「やっやめろ!誤解されるだろ!!」
周りを見回すと白い目で見られていた。
「お前っ…!」
反撃しようとすると、場違いな明るい声が響いた。
「は〜い!はいはい!!
そういう時はあたしに任せて!」