小さな約束


「………いる」




「えええーー!!誰!?誰なの!?」




「教えねーよ。


ルールは好きな人だけ教えるんだろ」




「えー!!教えてよ!!」




葉奈は不満そうに頬を膨らませた。




「じゃあ2回目しよ!2回目!!」




光流がベットを叩いた瞬間に、看護士が病室に入ってきた。




「健一くーん。検査の時間よー」




「んじゃ、そういうことだから」




健一はさわやかに病室を去って行った。




「くそーー!!逃げたー!!」




光流は苦しまぎれにそう叫んだ。




俺は目の前に落ちているジョーカーのカードを拾った。




ジョーカーの不気味に笑う目と合った気がして、なんだか嫌な予感がした。
< 62 / 112 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop