小さな約束
「健ちゃん…??」
どこからか震える声が聞こえてきた。
顔を上げると震える手でカーテンを握りしめながら、立ちすくんでいる葉奈の姿があった。
「健…ちゃん…??
嘘…嘘でしょ…??」
葉奈は涙を流しながらその場に崩れ落ちた。
「嘘…嘘…健ちゃん……!」
「健一くんっ!?」
医者と看護士が病室へ駆け込んできた。
「大丈夫かな〜?健一くん。聞こえる〜?」
「これは…いかんな」
厳しい表情で医者が放った一言で、病室の空気がピンと張り詰めた。
「おい、先生!いかんってどういうことだよ!!」
くってかかる俺を無視して先生は大きな声で言った。
「おい!手術室へ運べ!!」
「はい!」