小さな約束
2日後―…。
健一の葬式も終わり、病室には不思議な空気が流れていた。
最初は頭がいっぱいで、でも心は空っぽで、発狂しそうだったけど
時間が流れるごとに、だんだん健一の死も受け入れられるようになってきた気がする。
ここは病院。
死んでしまうことはたくさんあるんだ。
頭ではそう納得しているが、心の底では受け入れられていない自分がいた。
「ねぇ竜太」
「なんだ??」
「この病室って…こんなに静かだっけ??」
「そうだな……」
俺は空っぽになった真っ白なベットを見つめながら答えた。
葉奈はずっと自分のベットから出ようとはしなかった。
俺はそんな葉奈が少し心配だった。
それは光流も同じようで、閉じられたカーテンを悲しそうに見つめていた。
ピーポーピーポーピーポー
外からけたたましい救急車のサイレンが聞こえてきた。
光流は窓へ駆け寄り、身を乗り出した。
「急患かぁ」
運ばれる患者を見ながら光流はポツリとつぶやいた。