小さな約束
「大変大変っ!!」
光流が慌てながらトイレから戻ってきた。
「なんだよ、そんなに慌てて」
「さっきの急患、この病室に入るんだって!」
「!!…そうか…」
何事もなかったように新しい患者が入ってくる。
たくさんの思い出がつまっている健一のベットに違う人が入る。
当たり前のことだが、なんだか寂しくなった。
シャッ
「それ…本当??」
勢いよく葉奈のカーテンが開いた。
久しぶりに見る葉奈の目は真っ赤で、泣きはらしたことがよくわかった。
「うん…。看護士さんがそう言ってたから」
「そっか…」
葉奈は悲しそうな顔で、またベットの中へ戻った。