小さな約束
葉奈Side
健ちゃんがいなくなってから数日後…。
新しい人がきた。
泉って名前で、光流ちゃんがかっこいいと叫んでいた。
楽しそうにしている光流ちゃんがむかついた。
なんだか嫌だった。
あのベッドは、あの場所は、ずっとずーっと健ちゃんのものなのに…。
★・-・◇・-・★・-・◇・-・★
夜遅く…あたしは急にトイレに行きたくなって、ベットを抜け出した。
ヒタヒタヒタ
なんか一人で行くの怖いなぁ…と思いながら、静かな病室を横ぎった。
「おい」
「ヒィィッ!!」
突然声をかけられ、心臓が飛び出そうになった。
「お前…葉奈ってやつか??」
声がした方をおそるおそる向いた。
「かっこいい…」
健ちゃんがいたベットには、王子様のような美少年がいた。
「え??」
「い…いやっ何でもない!あたしは葉奈だよっ」
「ふーん…なぁ健一ってどんなやつ??」
「え??」
「健一だよ。ここにいたんだろ?」
「あぁ健ちゃんね。
えへっ健ちゃんはね、すごくかっこよくて、メガネかけてて…」