小さな約束
「あんたさぁ、何でそんな人の悪口ばっか言うの??」
「は??」
そんなこと言われたのは初めてだ。
「てか、そんなにくまれ口をお母さんとかお父さんは何も言わないの??」
「…言わねぇよ」
「ふーん。変なの」
心底不思議そうな顔をして光流って女はそっぽを向いた。
あぁこいつは家族や友達に囲まれ、毎日幸せに暮らしてたんだな。
そしてこいつは、病院や悲しみからは全く無関係な人間なんだと俺は悟った。
幸せそうな奴を見ているとイライラする。
「俺さぁ母さんいないんだ」
「え??」
「あと俺さ、がんなんだよな」
「…え??」