小さな約束
「お前らの夢は何だー!」
「あたしは日本一のバスケ選手になること!!」
と光流。
「あたしはトップモデル!!」
と顔を赤らめながら葉奈。
「俺は社長!!」
と泉。
俺は…。
「俺は…俺は誰でも救う医者になりたい!!」
恥ずかしくなって目をふせた俺を、みんなは暖かい笑顔で見守ってくれた。
「よーしじゃあ…点火!!!」
「ええええ!?」
何のために夢聞いたんだ!?
戸惑いながら花火に火を近づける。
ボッ
ヒュルルルルル
ドーーーーーン!!
「わぁっ」
「きれい…」
「たまーやって言うんだよな。こういう時」
「泉くん、たーまや」
真っ黒の夜空に花が開いた。
キラキラしたものが俺達向かって降ってくる。
花火…。
見たのは久しぶりだった。
この美しい空をずっと見ていたいと思った。
しかしこのしんみりしたムードは、誰かの怒鳴り声によってすぐに壊された。