小さな約束
「コラーーーーッ」
「「ウワァァァァア!!」」
驚いて扉を振り返ると、警備員と怖い婦長が目をつり上げ、仁王立ちで立っていた。
「病院で花火とは何事ですか!!」
「にっ…逃げろー!!」
泉の号令で俺達は飛び出した。
「ゴルァ!!」
婦長がこっちにタックルしてきた。
「うわぁ!」
婦長をよけ、がら空きになった扉に向かって一目散に走り出す。
「こらっ」
プヨプヨのお腹を揺らし、警備員がやってくる。
「どけぇ!!」
運動神経抜群の光流が、警備員に跳び蹴りをくらわせ、警備員は大げさに吹っ飛んだ。
「…すげぇ」
光流に感動しながら、階段をかけ降りる。
「おい!どこに逃げるんだ!?」
「とにかく逃げて!!
捕まったらおしまいだよ!!」
光流が一切息を切らさず叫んだ。
そう。きっと捕まったら正座で婦長の説教を何時間も聞くことになるだろう。
…そんなの嫌だ。
俺達は電気が消され、薄暗くなった廊下をかけ抜けた。