小さな約束

光流Side



「ハァッ…ハァッ…」




「警備員さんはエレベーターの二人を追ってください!!」


「はいっ!!」


バタバタバタ




婦長の足音は遠ざかり、静寂が訪れた。




「もう…行ったかな??」




「…あぁ」




あたし達は廊下を曲がった所にあった部屋に入った。


どうやら婦長はまけたらしい。




「ここどこだろう…。倉庫??」




「ハァッ…そうじゃないのか?」




辺りを見回すと白いシーツが山のようにつまれていた。


カビ臭いにおいがツンと鼻をつく。




「ねぇ竜太…」




「…あ??」




ドキッ




顔を上げた竜太に思わず胸をときめかせてしまった。


汗が頬をつたい、静かに目をふせる竜太は月の光に照らされ、まるで別人のようだった。




「なんだよ、じろじろ見て。気持ち悪い」




「べ…別にっ」




眉をひそめる竜太からパッと目をそらし、竜太の隣に座った。




竜太の荒い息づかいだけが
静かな部屋に響く。




いつまでその時間が続いただろう。
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