小さな約束
あたしは近くにあったシーツを竜太の体にかけた。
そして少し考えた後、あたしも一緒にシーツにくるまる。
「えへへっ」
竜太が近くて、照れくさい。
あたしは残された竜太との時間をゆっくり過ごすことにした。
月の光は意外に明るく、幻想的な雰囲気を醸し出していた。
あたしは一人で竜太に話しかける。
「ねぇ竜太。約束、守ってね。絶対に生きて」
あたしは思った。
もし気持ちを受け入れてもらえなくても、
気持ちを伝えられなくても、竜太が生きてるなら幸せだ。
あたしは気持ちよさそうに眠る竜太の頬に小さくキスをした。
「約束だよ」
キスしたことは竜太には秘密。
また十年後に会った時に言うの。
だから生きてね。
あたしが秘密のキスを明かすまで。
あたしはほんのり顔を赤らめながら眠りについた。
★・-・◇・-・★・-・◇・-・★
あたし達は翌朝5時頃、婦長に発見された。
葉奈と泉は別れた後すぐ発見されたらしい。
あたし達4人は婦長に2時間程説教を受けた。
やっと説教が終わり、説教部屋の会議室から転がり出る。
「や…やっと終わった」
「さすがに2時間はきついな…」
竜太はふらふらとしている。
竜太を見た瞬間、昨日のことを思い出して、顔がボッと熱くなった。
なんであたしは昨日あんなことしたんだろう。
今考えると到底信じられない。