唄い前夜《詩集》
死にたがり
ただ死にたがってるだけだろう
血が見たいだけだろう
生きている実感が欲しくてがむしゃらに走って
泣き叫びたいだけなのだろう
望むものが手に入った
真実を握った掌
あたたかくて
また涙が出たのだ
弱いものだね 人間は
欲しいと言ったのは自分の筈なのに
その真実を否定できる嘘を捜し求めて
学ぶことなく
絶えず死を望んで居る
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