恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
これは一般に公開しているわけではなくカギを持ってる――つまりあたしがパスワードを教えたヒトだけ読める作品なんだけど……。
「そーうえば大村、新作はじめたのな? 先生、土曜日の更新分までは読んだぞぉ」
ハニー先生のクチから思いがけない発言が飛び出したのは、赤信号で2台の自転車が並んで止まったときだった。
先生にはカギをあげていない。だから知らないところで、自分のことが書かれているなんて夢にも思っていないと思う。
「えっ、うれしいっ♪ もう読んでくれたんだァ♪ で、どうだった、どうだったァ?」