恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
「彩輝クンには話していませんでしたが、実は今回候補にあがった5作品に関しましては、ケータイ小説の中心的な読者層である現役の女子中・高生数名にモニターとして読んでもらっていて、そして選考にあたっては彼女たちの意見も取り入れているんですよ」

「だから?」

「つまり彩輝クンの作品を選ばなかったのは僕の一存ではないということです。夢が叶わず悔しいという気持ちはお察ししますが、どうか悪く思わないでください」

下手(したて)に出てはいるものの、そこには相手を突き放すようなニュアンスが含まれていた。

当然、悔しいあたしは言い返す。

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