恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
「そんなの、モニターに選んだコたちの趣味にたまたま合わなかっただけでしょっ!? 現にあたしの作品はケータイ小説サイトで大勢のヒトに読んでもらってるし、それにSブンTィーンに載るくらいだから面白くないわけないじゃないですかっ!?」

「たとえ内容がどんなによくても、ごく一部のヒトだけでなく万人ウケする作品でなければベストセラーにはなりません。“良い本”と“売れる本”は別だということですよ」

「チッ…」と舌打ちするあたし。

真田さんの言ってることは正しい。だけど正論でもって相手を追い詰め、逃げ道を奪っていく感じはたまらなくイヤだし息が詰まる。

だから追い詰められたあたしは反撃に出た。まさに窮鼠猫をかむ状態だ。
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