恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

それでもいい。

たとえそのやさしさがウソだったんだとしても、どーせ今夜は真田さんに初体験を捧げるつもりだったんだし。

誰でもいい。

誰かに会って、今すぐギュッとしてほしい。

そんな思いが頭をよぎった瞬間、自転車のペダルをこぐ足を止め、片足だけを地面につけたまま、おもむろに制服のポケットからケータイを取り出しているあたしがいた。

そして、一度は辞めたはずの出会い系サイト・逢いナビにアクセスすると、そこには“カット”というヒトからの未開封のメールがすでに8通もたまっていた。
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