恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

マジ、ウザイ!!

すると「チッ」と舌打ちしてアイツが言う。

「美容院の名前はなんてんだ? 名前さえ分かれば連れてってやる。オレは青山のことなら隅々まで、そして裏の裏まで知り尽くしたオトコだ。オレの知らねぇ場所はねぇ」

「……名前は知らない」

さっきまでの威勢はどこに行ったのか、あたしの声は蚊の泣くような声だった。

「だったらグズグズしてねぇで、さっさと教えてもらえばいいだろーがよっ」

「だからっ! ポイント切れでメールが送信できないんだ、って!!」
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