恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
最終章「虚を捨てよ、町角でキスをしよう」
カットくんに会うつもりが、途中でクモの巣に引っかかって立ち往生の土曜日の朝―――
「おっ、南雲じゃねぇか」
青山のとあるコンビニ店内に入るやいなや、レジにいた茶髪の若い男の店員さんが声をかけてくる。どうやらクモ男の知り合いらしい。
「よぅ、コオロギ」
「え!?」と声をあげそうになるあたしだったけど、店員さんの胸のネームプレートにはたしかに“溝呂木”と書いてある。でもコレってホントは“みぞろぎ”って読むんじゃ?
「仕上がりのほうは順調か?」
「あぁ、バッチリだ。これであしたのレースは優勝まちがいなしだぜ」
「おっ、南雲じゃねぇか」
青山のとあるコンビニ店内に入るやいなや、レジにいた茶髪の若い男の店員さんが声をかけてくる。どうやらクモ男の知り合いらしい。
「よぅ、コオロギ」
「え!?」と声をあげそうになるあたしだったけど、店員さんの胸のネームプレートにはたしかに“溝呂木”と書いてある。でもコレってホントは“みぞろぎ”って読むんじゃ?
「仕上がりのほうは順調か?」
「あぁ、バッチリだ。これであしたのレースは優勝まちがいなしだぜ」