恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon

そのやさしい目の中には、今もいつもと同じ海が広がっている。

でも、その目が今は辛い。

そんなやさしい目をして、どうして乙女の純情を踏みにじることができちゃうワケ?

「“いいだろ?”って、いいわけないじゃん!」

言い返した声が、めっちゃ震えてた。

「なぁ、聞いてくれ。大村彩輝は1年C組の生徒だろ? “生徒は生徒”だし、そして“先生は先生”だ。“先生は大村のカレシ”になることはできないんだ、分かるな? 大村は小説を書けるくらい想像力豊かな生徒だから、ちゃんと分かってくれるよな?」

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