恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
「そ、そっか分かった。そんじゃ、オレ、配達の途中だから」
そう言って、まだ頬が赤いままの彼が自転車をスタートさせ、その背中に向かって、まだ頬が熱く火照ったままのあたしが言う。
「うん、お仕事ガンバって。あとサンタさんにヨロシクぅ~♪」
「サキちゃんもガンバレよ!」
「言われなくてもガンバってるよ♪」
彼に遅れてあたしもペダルを踏み込み自転車をスタートさせる。
そう、あたしは今ガンバってる。