恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
まず名門私立・聖華学園女子高等学校――つまり自分の学校にまた通うようになってた。

イチバンの理由は、自転車に乗って足を鍛えるため。そして2番目に、母さんにまた明るい表情を取り戻してもらうためだった。

さすがにさんざん引きこもりをしたあとのあたしに学校での居場所なんてなかったんだけど、それでもいい。

だって今のあたしには、そんなことウジウジ悩んでる余裕なんてないくらい猛スピードで走り続けるふたつの夢があるから。

ひとつは、もちろん小説家としてプロデビューするという夢。

そして新しいふたつ目の夢は、ツール・ド・フランスに出場すること。
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