恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
それは2学期の中間テスト初日の朝のこと。

すでに引きこもりの兆候が見えはじめていたあたしに、ドアの向こうの母さんが怒鳴る。

対するあたしはベッドでアタマから蒲団をかぶったまま、「うるさいなァ……今日も生理でキツいから休むって電話しといてよ!」と怒鳴り返す。

「逃げるのっ!?」

「人聞きの悪い言い方しないでよっ!!」

あたし、カッチーン。“逃げる”というネガティブな表現がアタマにきたからだ。

「あたしはただ、学校なんて場所、あたしにとっては、もう行く必要のない場所だと思ってるだけなんだからっ!」
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