恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
「それにしても前々から思っていたことではあるが、お前の字はなんだ? ホント汚ねぇ字だな。“0”と“6”、それに“1”と“7”との区別もつかん」

あたしは前々から鎌田のことがキライだった。なぜって? オトコのクセに常日頃から小さいことをクチうるさく言うオトコだったし、そもそもそれ以前に逆三角形の顔が生理的に受け付けない感じだったからだ。

「字なんか汚くてもいいんですよ。だって今はPCやケータイで字を書く時代ですから」

「だが解答用紙には自筆で書いてもらわにゃならんぞ。まだ時間はタップリあるんだ。時間いっぱいまでしっかり考えろ」

「あたしの中では終わってるんです」




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