恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
……ってゆーか、あたしがただ引きこもりをしているわけではなく、学校に行ってる時間をもったいないと思い、夢の実現に向かってガンバってることを知ってくれてるから、渋々とはいえ承認してくれてるんだと思う。

女手ひとつであたしを育てながらも、娘にみじめな思いをさせたくないと高い入学金を払ってお嬢さま学校に入れてくれた母さんには本当に申しわけないと思うけど……。

今あたしは、髪をゴムでまとめてチョンマゲあたまにして、中学のときのゼッケンつきのジャージ姿で、朝から晩までのべつまくなしケータイ小説の執筆を続けている。

父親も、そしてカレシもいないあたしにできることは、一文字一文字に魂を込めて、気力と体力をすり減らしながら、がむしゃらに執筆を続けることしかなかったんだ――――
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