恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
内容はというと、とある出版社のヒトが、あたしの小説を出版する方向でハナシを進めてみたいとのことで時間のあるときにでも一度会ってもらえないかというものだった。
ケータイ小説を書いてるヒトなら、誰だっていつかは自分の作品を出版してみたいと思うはずだし、それはあたしも例外じゃない。
だから本来ならソレは飛び上がって喜ぶくらいのうれしい知らせのはずなんだけど、そのときのあたしのリアクションはちがった。
世の中にそんなオイシー話があるはずない。
出会い系サイトにダマされた苦い経験、そして引きこもりとなり外界との接触を断絶し、ひたすら部屋でケータイをいじっていたことが、あたしを猜疑心の塊にさせていたんだ。