恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
すべてお見通しだった。

でもイヤな感じはなくて、むしろその逆。言葉にしなくても分かってくれる、それがなんかイイ感じだった。

「あたしもね、最初はまじめに勉強するつもりだったんだよ。でもはじめたとたん、なぜか小説のアイディアが次々浮かんできて」

「たしかに、テスト勉強しようとすると、なぜかやたらと他のことに気が行ってしまった経験は先生にもある。だがな、勉強の合間の息抜き程度に書くならともかく、徹夜で書くのはさすがにどうかと思うし、だいいち根をつめるのはカラダに毒だぞぉ」

「ヘーキ、ヘーキ、あたし、先生とちがって若いから♪」

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