恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
うつむきかげんで覗き込んだティーカップの中、ミルクティーの表面には、ふたつのうつろな黒い瞳が写っていた。
「さすがは“SブンTィーン”に載っただけのことはありますね」
「えっ、アレ見てくれたんですかっ!?」
とたんにテンション急上昇で、前髪を舞い上がらせる勢いで頭を上げる。
「モチロンです。アレがきっかけであなたのことを知ったんですから」
「うれしい……あたし、スッゴクうれしいですっ♪ いやぁ、ニンゲン、ちゃんとがんばってれば、どこかで誰かが見ていてくれるもんなんですねぇ♪」