恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
夕食どきにはまだ少し早いせいか客もまだそれほど多くない、とあるファミレスで、真田さんとテーブルを挟んで向き合うカタチで座る制服姿のあたしがいた。
「なんかすいませんね……“メシおごります”なんて言っときながら、こんなショボいファミレスなんかに連れてきてしまって……ホントは“回らないお寿司”でも、ご馳走してさしあげたいところですが、お恥ずかしい話、弱小出帆社の安月給では……」
そう言って面目なさそうにメニューで顔を隠す真田さんがちょっとかわいかった。
「そんなっ、いいんですよ、全然っ。あたしなんか電車代ケチるくらい貧乏ですから、おごってもらえるだけで超ラッキーですっ」