恋想戯曲 ♥ Le rêve du papillon
「彩輝クンにひとつ質問していいですか?」

この状況で自分に向かって質問してくることを、ちょっと意外だと思いつつも、あたしは「はい」と返事をした。

「ヒトが多くのものの中から、あるひとつを選ぶに至る選考基準があるとしたら、その基準っていったいなんだと思いますか?」

「え……?」

「もっと分かりやすく言いましょう。さっき彩輝クンはメニューの数ある料理の中から“チーズハンバーグ”を選びましたよね?」

「はい……」

「では、どうして“テリヤキハンバーグ”や“煮込みハンバーグ”じゃなかったのか?」
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