恋の心霊スポット
「あんたね、もっと静かにできないの?隣で莉緒(りお)が勉強してるのよ?」
「…ごめんなさい」
「ごめんで済んだら警察いらないの!!」
バシッと私の頬に痛みが走る。
「今度から気をつけるからっ」
「なんであんたは出来損ないなの?あんなに素晴らしいお兄ちゃんを持って、弟の莉緒だって今一生懸命頑張ってるっていうのに!!どうしてあんたは真面目にできないの!!毎日毎日夜遅く帰ってきて!!そんなんだからお母さん怒るのよ?もっと真面目に勉強しなさい!!進路はどうするの?!もう5月なんだから早く決めなさい!!!」
お母さんがだんだん早口になりながら私に吐き捨てる。
「い、今考えてるから…」
「またそうやって適当に話流して、いい?進路決まるまで部屋から出なくていいから。」
「やだ!!お母さん、明日はだめ!!」
だって明日は、土曜日だよ。久しぶりに先生と出かけられるんだよ?
「明日どこか行きたいなら早く決めなさい!!」
そう言うとお母さんは乱暴に扉を閉めて部屋から出ていった。