天使と呼ばれたその声を

本日の天気は晴天。これでもかって位に私に照り付けている。季節は夏。背中に嫌って程に伝わってくるコンクリートの熱さ。
このまま、こうしていたら、きっと干からびる。確実に。


そう、私が瞼を開けた時には既に今の状況だった。死神に会ったのに、死ねなかった。彼女は死神ではなかったんじゃないかって今更ながら理解出来た。

まして、死神なんて現実味がなくって、そう考えてしまった昨晩の私は相当参ってたんだと思う。しかも、彼女は跡形もなく消えていた。思えば、薬のせいで記憶が錯誤していたのかもしれない。


気怠い身体を起こし、眩しい太陽を見つめた。そして、今日も思う。



……また、始まったのだ、と。

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